えんまりさんが初めて作ったボードゲームに、最初に抱いた感情は
「シンプルそうなゲームだな~」
普段ボードゲームをする訳でもなく、まして処女作となるそのボードゲームに、様々なボードゲームをプレイしている僕としては、まあ、簡単に遊べる人生ゲームのようなものだろう。うん。
そう素直に思ったのもつかの間、THINGiをプレイすると考えは一変。
あれ?よく出来てない?
最初に自分が思い描くビジネスにどんな能力が必要かを選択し、そのスキルを身につけることで収入がアップしていくシステムで、自分の目的意識がブレていたり、ちょっとした好奇心で行動すると全然成長しない、、、
ワークというアクションカードがあり、自身の思考や発言が試され、参加者の同意や承認が得られないと達成出来ない仕組みで
・発言する力
・共感する力
・人を惹き付ける力
・セレンディピティなど、他の出来事や失敗から何かをひらめく力
・演繹と帰納、主観と客観を見極め、織り交ぜる力
・ロジカルシンキングとクリティカルシンキング
など、自身に備わる能力の種類と練度でゲームの結果と気付きの種類が大きく変わるのが面白い。
初級者(ビジネスリテラシーやスキル)には現状何が足りていないのか、何に気付いていないのかなど、思慮の浅さやバイアスに支配されていて視野が狭くなっていたり、流行りや好奇心に煽られるとすぐに脱線するようなゲームバランス。
中級者ぐらいの人がプレイすると、良いと思って行動したことが悪い方向に出たり、あまり良くなかったなと思った行動から、新しいひらめきが生まれたり。
現実の経験に重なる部分もあって、ついニヤリとしちゃったり(笑)
転んでもタダでは起きない思考?というか、結果を出せるようになる思考とは?というのを意識するきっかけになり、アンテナの立て方や視野の広げ方、毎日起こる事象から運を引き寄せる思考力の癖を身につける為のヒントが、ゲームを通じて学べるようになっていて本当によく出来ているというか、正直いやらしいw
上級者だと、自分がこれまでの経験をどうアレンジしてアウトプットするかで、プレイスタイル(魅せ方)が変わる。能ある鷹は爪を隠すどころか角の立たない魅せ方を知っている訳で、どのようにプレイするかで自分の能力を再確認出来る。
えんまりさんが長年コンサルティングをしていたこと、そのノウハウを直接ではなく、誰もが体系的に学べるスキームとしてボードゲームを選び、それを1度の開発で体現出来たのは素直に彼女のセンスが凄いと思う。
プレイする度に自分の『立ち位置』や『成長度』を再確認出来るシンギ。
何度もプレイしたくなるのは、自分の成長や前回プレイした時との違いを実感出来ることが大きい。
よくこんなボードゲーム考えたなあとただただ脱帽するのでした。